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【管理スタッフ】 田中玲子(助教) |
微生物及び感染症の研究には、本来の性質や病原性を維持したまま用いることが重要である。また、遺伝子資源や有用物質探索といった観点からも菌株保存の重要性はますます高まっている。
当センターでは、腐敗研究所、生物活性研究所、真核微生物研究センターといった幾多の変遷を経ながら、一貫して病原真菌と病原放線菌の研究を主要な研究テーマの一つとしており、そのコレクションは当センターの特色の一つとなっている。事実、当センターの病原真菌コレクションは、我が国随一であるのみならず、この種のものとしては欧米各国の代表的微生物保存機関に充分比肩し得る存在といえる。保存されている菌株には、日本国内のみならず、中国、台湾、韓国、タイ、南北アメリカ大陸、北ヨーロッパなど世界各地の患者あるいは環境から分離された菌株も含まれており、ごく一部の特殊な菌種を除けば、病原真菌のすべての菌種が揃っているといっても過言ではない。このような実績が認められ、当センターは2002年に文部科学省による「ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)−病原微生物」の中核的機関となった。NBRPは2012年4月より第3期に入るが、第1期においては、「リソース量の確保」、第2期においては、「リソースの量から質への転換」と目標がシフトし、第3期においては、「他の研究者にどれだけ有効活用されたか」が重要視される。真菌・放線菌の遺伝資源保存施設として新たな目標に向け、さらなる発展を目指している。
収集方法は?
当室で保存している菌株の多くは、当センターの研究者及び共同研究者によって分離同定された、あるいは参考資料として収集されたものである。感染症の動向調査などに活用するため要望の高い新鮮な臨床分離株は医療機関などから同定、薬剤感受性試験などの依頼を通じて収集している。
コレクションの規模は?
保存菌株数は近年急速に増加し、現在、真菌約17,000株、放線菌2,000株に達した。当センターに保存されている菌株の詳細は、菌株データベースとしてweb(https://daphne.pf.chiba-u.jp/distribution/)上に公開されている。 また、文部科学省のナショナルバイオリソースプロジェクト(http://pathogenic.lab.nig.ac.jp/)における「統合データベース」ともリンクしている。
コレクションの意義は?
このコレクションを用いて分子診断学、分子疫学、分子系統学、あるいは活性物質のスクリーニングなど様々な研究に用いている。さらに、国内外の研究・教育機関からの依頼に応じて、研究、教育、臨床検査の参考株として、あるいは新薬開発を目的とした研究のための遺伝資源、新薬の評価のための被検株などとして提供している。
同定等の依頼は?
医療機関などからの依頼に基づき、臨床分離株の同定、薬剤感受性の測定などを行い、臨床研究および診療に貢献している。

